4/3 ヤクルト−広島(明治神宮球場)


 本来ならプロ野球は開幕していて、神宮で広島戦を見に行っていただろう日。公式戦からチャリティーマッチと名前と意味合いを変えましたが、それでも無事に野球が見れる環境になったことは一つの前進です。

今こそ、プロ野球を通してできることとは S6-1C


 この日は試合前に、両軍選手が集まっての募金が開かれていました。栗原と握手しようと列に並んで、募金も握手も終えた後、目の前を見たら、どこかで見た顔が。ああ、鈴木清明本部長じゃないですか! 普通にファンを見送られてたのですが、「鈴木本部長ですか?」と声をかけると「そうです」とのお答え。経営的に大変な一年になるかもしれませんが頑張って下さい、やれる応援をしますと話しながら、熱い握手をしていただきました。これだけでチャリティー募金代以上嬉しかったわ…。

 ヤクルトの選手達からの東北への熱いメッセージが展示されていました。試合後、東北の避難所へ贈られるそうです。

 ヤクルトには、一場や渡邉恒樹、宮出といった楽天との縁の深い選手もいますので、こういった企画は良いのではないでしょうか。

 スコアボードも節電状態で、選手登場時の演出はなく、ずっとスコアが表示されているだけになっていました。この対応は、シーズン中も続くのでしょうか…。
 さて、試合の方はカープの先発であるルーキー福井が注目。序盤はストレートが走らず130km台でやや不安になりましたが、2回に入ってからは140km 台後半を記録し、ある程度まとまった投球内容。これといった決め球もなく、ボール先行で荒れ気味だったのでどうかなと思っていたら、4回にフォアボールから一気に崩れ、とどめにバレンティンにホームランも浴びて5失点の大炎上。現状では課題が多い内容でした。とりあえずはストライク先行を目指して欲しいところ。次に登板した今村はテンポよく投げ込んで2回無失点で、敗戦処理、ロングリリーフとしては開幕一軍でも良いかと思えるピッチングでしたね。

 そして最後に登場したのはここまで一点も取られていないストッパー最有力候補であるサファテ。ブルペンでのウォーミングアップを、徐々に距離を伸ばしていく遠投から行う姿が印象的でした。これまでで残した驚異的な奪三振率とほぼ完璧な投球内容に大いに期待していたのですが、実際に見た印象はひとことで言うと「クルーン?」という感じ。MAX150km台後半のストレートでグイグイ押しながらも、あまり空振りは取れない内容。そして終いにはバレンティンにこの日二本目となるホームランをバックスクリーン脇へ。生で見た限りでは全幅の信頼を置けるような印象ではありませんでした。この日がたまたま調子が悪かった、くらいであればいいんですけど。
 他に目立ったのは何よりもヤクルトの新外国人バレンティン。スイングが実にゆったりしていて、いわゆる外国人的な無茶振りではないのに、ボールを上手くバットに乗せた感じで運んで飛距離が出ます。この内容が続けばシーズン入っても十分にやれるでしょう。ホワイトセルとバレンティンが並ぶようになると驚異ですね。カープの野手については、岩本の逆方向へのバッティングがうまかった程度で、あんまり収穫はありませんでしたね…。二試合で1点ではしゃーない。
 こんな試合でしたが、とりあえず関東で1軍の試合を見れること自体が久しぶりだったので、純粋に楽しいものでした。応援団もトランペットは自粛して声だけの応援とスクワットでしたが、久々にしっかり声出しした実感があったのも確か。野球としてはやや逆風を浴びる中開幕することになるわけですが、そんな年だからこそ、現場でしっかり声出して行きたいものです。

観戦成績